畑恵 ブログ

畑恵のブログです

新たに誓う、10年目の3.11

(前略)

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そうした支援活動の中でも殊の外思い出深いのが、中等部が事故発生2ヶ月後に福島原子力発電所の作業員の皆さんのために作成した「メッセージ手拭い」だ。

当時、福島原発で働く作業員の方々が高い放射線量の中で過酷な作業にあたって下さっていることは連日報道されていた。

ただ、事故を起こした東京電力に対する世論は厳しく、その発電所に対して支援を行う、感謝を伝えることができるという発想が、私を含め大人には無かった。

そうした中、中等部生たちは自分たちならではの支援とは何かを話し合った結果、被災地で自分たちの生活を守るため、最前線で戦ってくれている福島第一原発の作業員の皆さんへ、感謝と励ましのメッセージを届けることを決めた。

さらに、どういう形でメッセージを伝えるかを話し合うと、作業を行なっている発電所内はとても暑いことをニュースで知っていた生徒たちから、

「首にかけたり汗を拭いたり、何にでも使えて、使い終わったら捨てられるタオルにメッセージを書いて送ったらどうだろう。」

「いや、タオルだと(メッセージを)書きにくいし、作業中もかさばって邪魔になるといけない。手ぬぐいだったら畳んでポケットにも入れられていいんじゃないか。」

という意見が出され、結果、日本伝統のさらしの白手ぬぐいにメッセージを書いて送ることになった。

中等部生の発案による、中等部生にしかできない支援活動「メッセージ手拭い」は、こうして生まれた。

5月半ばには、生徒会の呼びかけで生徒と教職員全員がひとり1本のメッセージ手ぬぐい493枚を作成、東京電力栃木支社を経由し、6月上旬には福島原発へ届けることができた。

実は、中等部から福島原発にメッセージ手拭いを届けたいと伝えられた時、正直、世論を鑑みて東京電力サイドが受け取らないのではと考えていた。

ところが実際に東電の栃木支社へ問い合わせてみると「喜んで頂戴します。本当に有り難い。」という感謝の言葉がすぐに返ってきて、自分が随分と先入観に毒されていることを痛感し深く反省したものだった。

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それからしばらくして、思いがけない手紙が福島原子力発電所から中等部宛に届いた。

添えられた写真には、命を賭して現場の指揮にあたられた故・吉田昌郎所長や、防護服姿の作業員の皆さんが原子力施設を背景に手拭いを広げて下さっている姿が。

生徒たちの手拭いの制作過程を撮影したスナップ写真や記念写真を貼った大型の絵手紙も、作業員休憩所の壁に掲示して下さっていたそうで、

「皆さんのメッセージの前で、私たちは身支度を整え、その前を通り、各持ち場に散って行きます。」

と温かい感謝の言葉が綴られていた。

(後略)

※全文はこちらをご覧ください。
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