畑恵 ブログ

畑恵のブログです

天災に学ぶ

(前略)

7月初めの西日本豪雨でも、集まった義援金の送り先について生徒たち自身が議論し、日本赤十字社に全額を託してしまうのではなく、特定の被災地にもお届けして、お互いに"顔の見える支援"をさせて頂きたいという意見をまとめました。

そして支援させて頂きたい希望先を何カ所もピックアップし、さらに話し合った結果、愛媛県宇和島市・玉津地区のミカン農家さんと、広島県呉市の2ヶ所が支援先として決まりました。

作新学院が位置する栃木県も農業県なので、農家の皆さんを支援したいという気持ちが子どもたちには強かったようです。

ただこれから先、ミカン畑の場合、土地ごと流されてしまったミカン畑を復興しミカンが実るまでに10年、さらにその木が成長して多くの実をつけ収益が上がるまで更に10年かかると言われています。

できることなら、子どもたちには節目節目でミカン畑を訪ねさせて頂きたい、そしていつの日か支援を始めた子どもたちが自分自身の子どもの手を引いて玉津のミカン畑を訪れ、一緒に収穫作業をさせて頂ける。

そんな日が来ることを、今から夢見ています。

ただこうした学院の思いは、被災地の皆さんに果たして受け入れて頂けるのか、実はとても不安でもありました。

少額な義援金しか送れないのに心の支援などと言われても、被災された皆さんはその日一日を生き抜くだけでも大変なさ中、かえってご迷惑をおかけしてしまうのではないか...

実はすべて、私たちの独りよがりに過ぎないのではないか...

そんな気がして、被災地へ直接連絡させて頂くことも随分と躊躇していました。

ただ、とにかく生徒たちが話し合って決めたことなので、連絡だけでもと担当教諭が動いたところトントン拍子に話が進み、9月5日に玉津地区で開催された復興総決起大会に、学院の子どもたちからのメッセージボードと手紙をお届けすることができました。

興大会が終わると、間髪入れず玉津の皆さんから大会当日のお写真とメッセージが届きました。

右端ののぼり旗には、「手のひらサイズの太陽を育てる町」の文字が。

あぁ、そういう思いで玉津の皆さんは、一つひとつのミカンを大切に育ててらっしゃるんだな、と胸が熱くなりました。

お送りした義援金は、ミカン産業に欠かせないスプリンクラーの修理やモノレール購入にお使い頂けると、丁寧に教えて下さいました。

送ってくださった沢山の写真の中から、この文章の締めくくりにご紹介したい最後の一枚。

品格のある「玉津」の文字が藍地にキリッと染め抜かれたポロシャツも、玉津のミカン農家の皆さんの誇りと心意気を実感しますが、そのお隣のシャツに刻まれた言葉も胸に沁みます。

 

諦めない強さを        

いつだってみかんが

教えてくれた

打ち続く災害によって、ともすると不安と自信喪失のスパイラルに沈んで行きそうなこれからの日本。

でも、今こそ謙虚に大自然の声に耳を傾け、その教えに学ぶ時なのだと、玉津の皆さんに身をもって教えていただいた気がします。

手のひらサイズの太陽を育てる皆さんのため、作新学院の一人ひとりも"手のひらサイズの支援"を息長く続けて行きたいと思います。

どうか一人でも多くの皆さんからのご支援を、被災された各地へよろしくお願いいたします!





全文はこちらからご覧ください。
ameblo.jp



ブログランキングに参加しています。良かったら応援して下さい…

にほんブログ村 その他ブログへ
にほんブログ村


日記・雑談 ブログランキングへ


FC2 ブログランキング