(前略)
本庶先生の偉大さを認識していれば、とても畏れ多くてサインを求めることなど天地が逆さまになってもできるものではありません。
しかし、そこが若者ならではの「怖いもの知らず」が成せる技。
恥ずかしさと情けなさで、この時はこのまま消えてしまいたい!と思うほどのショックを受けましたが、本庶先生のノーベル賞が決まられた今となれば、あの女子生徒の蛮勇があったればこそ、本学にはこの色紙が存在している訳です(ただ所有者の生徒が卒業してしまえば、残るのは画像だけになるとは思いますが...
さて、この一件ですっかり意気消沈した私は、本庶先生に合わせる顔がないではないかと引率教諭に綿々と嘆きを訴えつつ、とにかくお礼状だけは生徒たちにしっかりと書かせるように厳命しました。
するとある日、トップ英進部のS部長が、「本庶先生からご丁重なお手紙を頂戴しました!」と興奮気味に、そのコピーを持参してくれました。
早速拝読すると、その文面には私がこれまで知ることのなかった本庶先生の、次世代を思うとびきりの温かさと強さが溢れていました。
このお手紙は学院の子どもたちにとって"宝"であることはもちろんですが、その内容は日本中、いえ世界中の子どもたちに伝えたい言葉なので、その全文を掲載させて頂きます。
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2017年11月17日
作新学院高等学校 様
冠省
過日、作新学院高等学校のみなさんと長楽館にて楽しいひとときを過ごすことができ、嬉しく思っておりましたところ、ご丁寧なお手紙をお送りいただき、ありがとうございました。
私との短い懇談の中で、それぞれが自分自身について考えることができたとのこと、そして今後の進むべき道についての足がかりをみつけていただけたようで、何よりと喜んでおります。
生徒のみなさんには、当日お話したように6つのCを大切に、輝かしい未来を進んでいただきたいとお伝えください。
Curiosity(好奇心)を忘れず、Courage(勇気)を持って困難な問題にChallenge(挑戦)し、必ずできるというConfidence(確信)を持ち、全精力をConcentrate(集中)して、諦めずにContinuation(継続)させること、また、いつか成長された折にお会いできることを楽しみにしております。
海外出張に出ておりましたので、お返事が遅くなってしまいましたこと、ご容赦ください。
今朝の寒さはひとしお、どうぞ皆様お体をお大切に。
不一
京都大学高等研究院
特別教授 本庶 佑
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教育という仕事に携わって来たからこそ、子どもたちを本庶先生に引き合わせたからこそ知ることができた、「有志竟成」という言葉と6つの"C"。
本庶先生の言葉をいつも心に、自分自身もいつか本懐を遂げるその日まで精進し邁進せねばと心に誓う、ノーベル賞決定でありました。
全文はこちらをご覧ください。
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